2001年宇宙の旅の原作を読んだ上で映画に再挑戦する

難解、解釈が分かれる、意味わからなすぎて途中で寝た、俺は何を見せられているんだ?

等、散々言われている名作映画

2001年宇宙の旅

見ていなくてもタイトルを聞いたことがある人は多いと思います。キューブリック監督の作品。

結論から言います。

1、周りから評判を聞いて食わず嫌いで見てない(でも気になってはいる…)という人

2,映画見たけど意味わからん、誰か解説してくれや。

という方々。どちらの方も今すぐ原作を読みなさい。今すぐにです。

映画の演出は極めて抽象的で観念的であり、私のような凡人に理解や解釈は不可能です。というか解説なしで分かるように作っていません。多分

正確に言うと、小説版が映画の純粋な「原作」となってはいないそうなのです。それでも大筋は同じなのでアレはどういう存在なんや?、あそこの部分なんでこうなってるんや?という様々な疑問は小説を読むことでだいぶ解決します。

私は映画版をまさに2001年に見ました。地元の映画館で「2001年だから」という理由でリバイバル上映していた時に映画好きの父に半ば無理やり連行されました。

父曰く「分かんなくていい。というか俺だってわかってない。こういう映画も存在するんだということを知るだけで意味がある」

今となっては父に感謝しています。2001年の11月でした。雪国の地元の映画館。雪がちらつくすげぇ寒い日でした(なんか父はもういないみたいな表現になりましたが全然元気でご存命です)

あれから23年。去年あたり?kindleで小説版を買っていたようです。すっかり忘れていたので読んでみたら、意外にもわかりやすく、読みやすい作品でした。そのうえですごい久々に映画も見てみました。

アマゾンプライムビデオにあります。字幕版なら課金なしで見れます。

2001年宇宙の旅 Amazonprimeビデオ

この映画の解釈など世界各国の人がさんざんやりつくしてきたと思うので今更私なんかが何を、とも思ったのですが。恐れをなした部分や感動した部分、強烈な印象が残った部分のみ書いていきます。

ネタバレというほどのことはありませんが、映画や小説の内容に一切触れたくない人はそっとこのページから離脱してくださいね☆

その辺りはご自身の判断でお願いいたします。

以下、一応映画の時系列順に感じたことを書きます。

・道具を使うことを覚えた猿人類の表現いいね!

 食いつくした獣の骨が横たわる中、一匹のサルが太い骨をもち、振り上げる。そうすると骨が砕ける。持った骨をガンガンたたきつける。

画面が変わり、白い背景の前で一匹の獣(バクか何か)が倒れる。

骨をたたきつける

獣が倒れる

猿人類は喜びの咆哮とともに骨を振り回している。

これが、猿人類が初めて道具を使うことを覚えた瞬間を示唆しています。

「骨を振り上げたたきつける猿人類」と「倒れる獣」を交互に見せることで、実際に狩りをするシーンを描くことなく、猿人類が道具を使って他の種の動物を打ち倒すことが可能になったことを描いている!CGや合成の技術がなかった時代でもこういった表現を使うことで幅を持たせているんですね。

・リアリティよりも強いインパクトを残すことに重きを置いた色使い。

宇宙ステーションのシーン。宇宙ステーションの壁、床、ドア、すべてが白い。まぶしいぐらいに白い。白い中でひときわ目立つ赤やピンクの家具。

実際、宇宙ステーションで一定期間人間が過ごすことを考えると、こういう色使いにはしないと思うんです。真っ白って落ち着かないし、汚れも目立つし。あえて1色だけ別の色を使うにしてもすごい派手な色にする必要もないし。

これもきっと、そこが宇宙であることの浮遊感、非日常感、印象を強く持たせるためのあえての演出だろうな、と思いました。

・色とりどりの宇宙服

映画内で何度か、登場人物が宇宙服を着て船外活動をするシーンがあります。

用意された宇宙服の色は、黄色、オレンジ、水色。

こちらもとても派手です。なぜこの色なのだろう。普通の宇宙服ってそういえば白じゃない?と強い違和感を抱きました。

「宇宙服 なぜ白い」とGoogle検索を思わずしてしまったくらいに。

そこにはちゃんと明確に、そりゃそうだ!と膝を打つ理由がありました。

宇宙では太陽の光をもろに受けるので、宇宙服はそれを反射するために白い。

確かに…そりゃそうだ。

ちなみに宇宙船の発着時には船員たちはオレンジの服を着るそうです。万が一深い森とか海とかに不時着した時に救助するために、自然界の中で目立つために、だそう。なるほど。

話を映画に戻します。上記の理由から船外活動で使う宇宙服に黄色、オレンジ、水色、が使われているのはリアリティを排した敢えての演出ということになります。

真っ暗な宇宙に浮かぶ黄色い宇宙服。

確かに視覚的に強烈でこのシーンも印象に残っています。

乗務員たちは宇宙で危ない目にも合うので、黄色や赤に近いオレンジで、危険が迫っていることを想起させる色でもあると思います。今思うと信号機の色ともリンクしていますね。

・モノリスって結局なんだったのか

多分、過去と現在と未来、時空を超えて存在する絶対的存在。宇宙はその広さ故、地球人の常識では理解できない法則が存在していてもおかしくない。

どこかの知的生命体が作ったのか、それとも自然発生的に出現したのかはわからないけど。

未来のすべても投影するものだとしたら、サルに道具の使い方を教えてくれることも、主人公にこの後自分が老いて死にゆく姿を見せた後で胎児に戻して見せることも可能だろう。空間という概念も超えて宇宙の真ん中に急に居心地の良いホテルの一室を作り出すこともできる。

映画版のほうを「意味が分からない」と感じる主な原因は「モノリス」に関して何も説明がないという部分にあると思います小説のほうでそちらの記述はだいぶ親切にしてくれているので、解釈もしやすいです。とはいえ、すべて言葉で説明してくれているわけでもないのですが。

モノリスに始まりモノリスに終わるこの物語。結局すべてを語らないまま映画も小説も幕を閉じますが、現時点で私はこのように感じた、という解釈を記してページを閉じたいと思います。

ではまた♪

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